お金の使い方にメリハリを

老後資金に不安はないが、お金の使い方にはメリハリをつけているという。美容院を経営する知人に頼まれて始めたカットモデルはすでに20年目で、美容院代はいつもタダ。化粧も50歳を機に基礎化粧品オンリーに。服もほぼ買わなくなった。

「私は食いしん坊かつ温泉が大好きなので、普通列車の1日乗り放題を5回分楽しめる『青春18きっぷ』を使ってひとり旅をしています。たとえば土曜の朝一番で東海道線に乗ってお昼に伊東で美味しいウナギを食べ、熱海の日帰り温泉施設へ。東京を通りすぎてそのまま実家の高崎へ里帰りしても、1日分の電車賃は2410円です」

一方、週1で通う酵素風呂、月1回の整体、スーパー銭湯でのあかすりなど、健康維持のためのリラクゼーションにはお金を惜しまない。観劇や食事会など友だちとの付き合いも、節約することはないという。

「毎月29日は会社の女友だち3人と、お肉を食べに行きます。ほかにも職場の80代の先輩と定期的に食事会を開き、人生のアドバイスをいただいたり、秩父で山暮らしをしている友だちのところへフラッと遊びに行ったり。これも独身の身軽さかな」

以前、親友に旅行に誘われたが、親の介護のために断ったことがあった。その後、友人は突然の病で亡くなってしまう。

「彼女と旅行に行けなかったことが心残りで。友達と会える時には会って楽しみたいんです」

65歳までは会社にいられるが、その後、今のマンションに住み続けるか、それとも新たな土地に移住するかを考えている最中だという。