利用者間で気の合う人とつかず離れず
全120戸という大規模施設で、介護士を含めた職員が約50名。温泉や娯楽室、図書室も完備し、ヨガやエアロビなどフィットネスプログラムも充実している。
「気に入っているのは、利用者間でトラブルが少ないこと。気の合う人とつかず離れず仲良くやっています。あとはスタッフが常駐していて心強い。5年ぐらい前、夜中に大動脈解離になった時もすぐに救急車を手配してもらい助かりました。普通のマンションにひとり暮らしだったらどうなっていたか……」
月2回は施設の主催する買い物バスツアーに無料で参加でき、図書館を回ってくれるコースなどもある。また、5人の孫が遊びに来てくれて、買い物をしたり、食事をご馳走したりするのが楽しい。
「贅沢しないで自分の身の丈にあった生活をしていれば、困ることはありません。ただ靴にだけは気を使いますね。2万円ぐらいのちょっといいスニーカーを2足持っていて、その靴をウォーキングで使っています。コロナ禍でウォーキングをなまけていたら、てきめんにひざに来て整形外科通いになってしまったの。だから、なるべく自分の足で動くことにしていて」と、山尾さん。まだまだ意気軒高だ。
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シングル老後の幸せにお金は必要。しかしお金の不安に振り回されるばかりでは本末転倒だ。「住まい」「心身の健康」「いざという時に頼りになる人間関係」などセーフティネットがあれば、必ずしも2000万円の貯金がなくても明るく生きていける。皆さんの回答からそんなヒントをもらった。