あくまでも主導権は自分に
幸いにも、4つのがんは抗がん剤と放射線治療が効いて消え、1つは内視鏡の手術で取れました。この1月からは仕事にも復帰。再発や転移の問題があるので、定期的に検診は受けていくものの、がんを患う前の日常をかなり取り戻せています。
しいて言えば、抗がん剤の影響で、指先と、足首より下にしびれが少しありますね。正座したときに感じる足のしびれのような感覚です。でも日常生活にはそこまで影響はなくて、高いピンヒールが履けないくらい。がんは、100人いたら100種類の症状があると言われるほど個人差があるので、このしびれがいつまで続くかはわかりません。
日課だった運動も再開しています。ヨガや水泳、愛犬たちとのウォーキング。ジムでの筋トレにも週2回のペースで通っています。
実は、治療中に主治医が「秋野さんは、抗がん剤がよく効き、なおかつ副作用がほとんどなかった。治療を中断することもなく、スケジュール通り進めることができた。なかなかないことですよ。すべて、あなたがトレーニングを重ねて、健康的な体を維持してきた結果ですね」と言ってくださったんです。それがとても嬉しくて。
運動している人は、治療効果が高いそう。もし今後がんが再発したとしても、治療に負けない筋力・体力をつけておきたい。だからがんばってトレーニングを続けていくつもりです。
一方、今回のことでつくづく思ったのは、どんなに健康作りに励んだとしても、がんになるときはなるということ。がんって突然やってくる天災みたいなものだと思います。だったら、私たちにできることは、日頃からがんに備えておくことではないでしょうか。
備えとはズバリ、知識です。どんな病気で、どんな治療法があるのか。どの病院へ行けば自分が受けたい治療が受けられるのか。
そして、医師に丸投げしないこと。医師とよく話をして、彼ら彼女らの持つ知識や経験・技術と、自分が望んでいるものとの接点を見つけていく。たとえば、抗がん剤治療をした際、医師は投与後の白血球などのデータを見て、その治療が適切かどうかの判断をするわけです。