放射線治療は、体を動かないように固定して、患部にピンポイントで1分間くらい照射するだけ。痛くもなんともありません。最初は余裕だったのですが、20回目を超えたあたりから、喉に激痛が走るようになりました。

外から体内のがんに放射線を当てて焼いているので、内部はやけど状態。そのせいか、喉の中に剣山が突き刺さっているかのような痛みが。数日で治まりましたがあれはつらかったですね。

さらに首のあたりの皮膚も赤く焼けただれてどす黒く変化し、パジャマの襟が当たるのも痛いような状態になりました。ところがある日、この皮がペロッとめくれたら、下からめちゃくちゃきれいな皮膚が出現! おかげで首にシワがなくなり、若返ったんですよ。悪いことだけじゃないわね。(笑)

症状を語りながらも、笑みを絶やさない秋野さん。前向きな人柄によるものだろう。秋野さんは闘病の日々を隠すことなくブログに綴ることにした。その理由は──

ブログでは、がんが発覚する前は、運動や食事などのライフスタイルについて発信してきました。私は取材で健康についてお話をすることも多かったし、ダイエットやヨガの本も出版しています。さんざん健康を売りにしてきた私が、がんになったとき、ここで黙っちゃいかんだろ、と(笑)。私の生き方に反すると思ったんです。

それで、病気と向き合う日々を正直に書き綴ってきたわけですが、続けてきて本当によかった。というのも、同じ病気の方やそのご家族がブログを読んで、コメントをくださる。次第にコメント欄がお互いの意見交換の場になり、いいプラットフォームになっているのです。

がんを告知されたとき、正直「どうして私が?」と感じました。健康には人一倍気をつけてきた私なのに、って。それで、ブログでぼやいたんです。すると、「私もそうでした」というコメントをいただいて。

同じような体験をした方はたくさんいる。がんは細胞のコピーミスだから、年齢を重ねれば誰だってなりやすくなる。私も65歳、そんなこともあるよね、と受け止められるようになりました。私のブログを見て、「元気が出ます」と言ってくださる方も多いのですが、元気をもらっているのは私のほうです。