昨年11月に敗血症のため、61歳で亡くなった俳優でタレントの渡辺徹さん。妻の榊原郁恵さんとは芸能界きってのおしどり夫婦として広く知られました。ナレーションや声優などの仕事でどんなに多忙でも、舞台俳優であり続けようとした渡辺さんの思いとは?渡辺さんいわく「ハードルが高ければ高いほど、エネルギーが高まる」そうで――。
8年間続いた音楽番組からの縁
演劇の仕事の一方で、クラシックの仕事も「おしゃべりクラシック」からのつながりで、テレビやその他で、いろいろやらせていただいています。
その昔、NHKFMで「おしゃべりクラシック」という番組を、毎週金曜日の2時間、生放送でお送りしていました。
8年くらい続いたでしょうか。
そのつながりで、オーケストラとのステージも、ずいぶんとやらせていただきました。
・ピーターと狼
・宮沢賢治朗読
・子ども向けコンサート
・ソリストたちとのステージ
・モーツァルト特集
などなど。
それから後、NHK-BS2「あなたの街で夢コンサート」という番組で司会をつとめ、オーケストラと各地方を訪れたりもしました。
―以上は、オフィシャルブログ「そこのけそこのけ わたなべとおる」で2020年7月9日に配信されたものを、少し形を整えて転載したものです。
そのご縁で、クラシックのアーティストや関係者の人たちとのおつき合いもあって、話をすることも多いのですが、あるとき、「自分たちの仕事、芸っていうのは何なんだろうね」という話題になったことがありました。
演劇というのは、シェイクスピアの時代からまずは台本があって、そこには台詞が書かれています。
そして、その台詞通りに言わなければならないわけです。
言葉を換えてはいけないのです。