オリジナルが許されない11時間

以前、新国立劇場で、シェイクスピアの「ヘンリー六世」に出演させていただきました。

この作品は、シェイクスピアの実質的デビュー作となった20代の作品で、3部にわたる壮大な歴史劇で、上映時間は9時間。

『すべては出会い 渡辺徹の愛され人生』(著:渡辺徹/きずな出版)

世界でも、一挙上演の機会は少なく、日本でも1981年以来、28年ぶりの上演となりました。

9時間の舞台、休憩も入れて11時間、一言一句、台詞以外のことを言ってはいけない時間を過ごしました。大変でした。

しかもシェイクスピアの台詞は、韻を踏むということで換えてしまったら、リズムが狂ってしまいます。

そういう芸を、役者はしているわけです。