(イラスト:多田景子)
厚生労働省が発表した令和3年度の健康実態調査結果の報告によると、睡眠時間が「6時間以上~7時間未満」と答えた人が34.7%と最も多く、次いで「5時間以上~6時間未満」が 23.9%。全体的に女性の睡眠時間が短い傾向があり、「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った。」と答えた人が全体の44.6%となっています。飯野しおりさん(仮名・滋賀県・主婦・37歳)は、騒音レベルの夫のいびきに何年も耐えてきましたが――。

寿命が延びるどころか

夫婦が一緒に寝ていると平均寿命が延びる、と以前テレビで見たことがある。たしかに私の祖父母はずっと寝室を同じにし、ともに90歳を超える大往生だった。

でも、私には無理!夫のいびきがうるさすぎるのだ。私は7年前、30歳のとき6歳年上の夫と結婚した。そのうち授かるだろうと思っていた子どもはできず、いまでも2人暮らしだ。

夫のいびきは騒音レベル。大げさではなく、壁にヒビが入るかのようなゴジラ並みの音で、よく4年も耐えた。それまで夫にはいびきを録音して聞かせたり、病院の受診を勧めたりしてきた。肥満からくる睡眠時無呼吸症候群を心配したのだ。マウスピースを着ける対策も提案してみたが、夫は仕事の忙しさにかまけてうやむやに。

いびき対策の難しいところは、本人に自覚がまったくないところだ。夜ぐっすり眠れない私は日中にイライラしたり、片頭痛に悩まされたり、家事でミスをしたり、顔に吹き出物ができたりするようになった。夫との口論も増え、いびきがとくにうるさかった翌日は、夫のおかずをこっそり一品減らしたりして憂さ晴らしをした。