ありがたいことに、たくさんの歌舞伎役者の先輩方が出演してくださることになりました。名前のラインアップを見ただけで畏れ多く、私は心臓のバクバクが止まりません。
私と歳の近い役者さんは、以前から「眞秀君の襲名のときには絶対出るからね」と言ってくださっていたんです。そのお気持ちだけでも嬉しかったのに、本当に実現するなんて。感謝しかありません。
眞秀にはこの公演中、先輩方からいろいろなことを学んでほしいし、この門出を祝ってくださるお気持ちを一心に受け止めてほしいと思います。
新作は、脚本があがってから音曲や振りつけ、立ち回りなどをつけていくので、稽古に入るまでに時間がかかるもの。脚本のあがりが1日遅くなればその分、稽古の時間が1日減ってしまいます。
本人は焦りがないのか悠然と構えていますが、私は気が気ではない(笑)。脚本を待つ間は、女方の踊りのお稽古など、できることをやっていました。
演出をつとめる父・尾上菊五郎はお客様を楽しませることが好きなので、エンターテインメント性の高い楽しい舞台になるのではないでしょうか。「賑やかで明るい場面や激しい立ち回りも考えています」と父は申しております。