歌舞伎座の舞台はいつも楽しい 寺嶋眞秀

寺嶋眞秀(てらじま・まほろ)
2012年東京都生まれ。17年に歌舞伎座で初お目見得。ドラマ、CMに多く出演する。NHK大河ドラマ『どうする家康』に松平信康役で出演中

 

小さいころから歌舞伎が大好きでした。家族やマネージャーさんのスマホには、小さい僕が歌舞伎の真似をしている動画がたくさん残っているから、あ、いまちょっと見てください。(笑)

歌舞伎座の舞台には何度も立っていますが、いつも楽しいです。それなのに塾の発表会で弁天小僧をやったときは緊張して全然できなかった。悔しくて、涙が止まりませんでした。

あとでお母さんから「なんでできなかったの? いつも家でもやっているじゃない」と聞かれたけど、歌舞伎座は人が多いから恥ずかしくない。小さな会場はひとりひとりの顔が見えるので、逆に緊張しました。

尾上眞秀として出ないか、とひーま(祖父の尾上菊五郎さん)に言われたときは、「え、ほんと?」ととてもうれしかったです。目標は、ひーまみたいな面白い役者さんになること。

いまは立ち回りが一番面白いけど、これからは女方もやることになるので、それも頑張りたいです。そしていつか僕とパパの母国のフランスで、歌舞伎公演をやってみたいと思います。

初めての主役なのでワクワクしています。5月の舞台にどうぞお越しください。

初お目見得は、『魚屋宗五郎』酒屋丁稚与吉役だった(歌舞伎座、2017年5月)(写真提供:松竹株式会社〈無断転載禁止〉

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