(写真提供:NHK)
2023年4月29日(土・祝)の午前6時10分から、ドキュメンタリー『奈良岡朋子~俳優、75年の旅』(NHK)放送予定です。2023年3月23日に肺炎のため逝去された奈良岡朋子さんの75年にわたる俳優人生の軌跡を辿ります。奈良岡さんが過ごしたマンションでは、4人のおひとりさま女性が互いを支え合いながら暮らしていました。そのうちの1人が、『渡る世間は鬼ばかり』『ありがとう』など、数々の名作ドラマを手掛け、96歳になった今も仕事を続けるプロデューサー・演出家の石井ふく子さん。気心の知れた人との近距離暮らし、その様子とは――。

奈良岡朋子さんは、1948年に民衆芸術劇場の俳優養成所に研究生として入団。以降、女優として舞台や映画、テレビへの出演やNHK朝ドラのナレーションを務めるなど活躍の幅を広げてきました。

2005年の舞台『ドライビング・ミス・デイジー』では、第60回記念芸術祭賞大賞、第47回毎日芸術賞、 第5回朝日舞台芸術賞を受賞。 近年は朗読劇『黒い雨-八月六日広島にて、矢須子-』(原作:井伏鱒二)の一人語りをライフワークとして活動を続けていた奈良岡さん。

奈良岡さんの75年にわたる俳優人生の軌跡を振り返るドキュメンタリー『奈良岡朋子~俳優、75年の旅』(NHK)では、劇団民藝の盟友・大滝秀治さんとの約束、俳優として大切に守り続けたものにスポットライトを当てます。

さらに、2013年から始めた『黒い雨』で、小さな町を一つずつ回りながら彼女が伝えたかった戦争への思い、5年にわたる取材の中で見せた、演劇に導かれた人間の等身大の姿を、貴重な映像と共に振り返ります。

そんな奈良岡さんの私生活でのひとこま、ドラマプロデューサー・演出家の石井ふく子さんが著した『歳はトルもの、さっぱりと』より、一部抜粋してご紹介します。