男の子はママ似、女の子はパパ似に医学的な根拠はありません

女の子が「子どものころはママ似だったと思ったけど、最近、パパに似てきたね」などという話もよく耳にします。

顔の中心部、つまり“目鼻立ち”は顔立ちを決める主要箇所です。これらの部分を作る遺伝子は複数あり、それらを母と父から、どのようなパターンで受け継ぐかで、ママ似、パパ似があるていど決まってくるのです。

女の子なのに“意外に”パパ似となれば人々の印象にも残りやすく、それが都市伝説のように「女の子はパパ似」という説が広まったのかもしれません。

さて、話は壮大なテーマへとつづきます。

そもそも男女の根本的な違いを決めているのはなんでしょうか。それは、性染色体の組み合わせです。

ヒトの性染色体にはXとYがあり、XXの組み合わせであれば女性、XYであれば男性になります。

性染色体の組み合わせは受精した瞬間に決まるのですが、最初はからだの構造に男女差はないのです。

そして、黙っていればそのまま女性になるようにプログラムされています。

ところが、妊娠8週目ぐらいになると、Y染色体を持っている胎児、つまり男の子の胎児では、SRY(エスアールワイ)という遺伝子がオンになります。

これをきっかけに男の子の胎児は、自ら男性ホルモンを作るようになり、男性の外性器が作られていきます。

もとをたどればすべては単一遺伝子であるSRYが仕組んだことなのです。