性別に関する意識も遺伝子が決める
胎児が作る男性ホルモンの量は、男性ホルモンを作る遺伝子のチカラによって決まります。
その量が多いか少ないかによっては、性染色体が決めた性別や見た目の性器と、赤ちゃんが将来「自分はこうありたい」と思う性(ジェンダーアイデンティティ)が微妙にずれてしまうこともあります。これもまた、遺伝子が決めたことなのです。
持って生まれた性が受け容(い)れられないと違和感を持つひとたちの苦しみや葛藤は言葉では言い尽くせないでしょう。
性別に関する意識をコントロールしているのは、ほかでもない遺伝子なのです。
誰かを責めるべきことではないし、ましてや親の躾(しつけ)や育て方が問われることでもありません。
たとえば、男の子にピンク色の洋服を着せても、女の子に木登りや格闘技を教えたとしても、育児のバリエーションによって子どもが将来、ジェンダーアイデンティティに違和感を持つことはないのです。