脳を疲弊させる「視覚過敏」

いろいろある発達障害の特性のなかでも、意外と見逃されやすいのが「視覚過敏」です。これは要するに、「見えすぎてしまう」ということです。

たとえば今、ショッピングモールにいる、と想像してみてください。

私たちは、周囲の人や物を気にしないでいられますが、発達障害がある子は、
・パッと光るもの(たとえば、カメラのフラッシュや、キラキラした装飾)
・音を出すもの(たとえば、コツコツ音を立てる靴、音を立てて落ちる小銭)
・色鮮やかなもの(たとえば、派手な色の服、色とりどりの風船)

など、目立つものに注意を奪われて、視線を外せなくなってしまうのです。

さらに、「注意を奪うもの」がたくさんある場所では、いろいろなものに次々に目が向いて、視覚から情報がバンバン入ってくるため、脳が疲弊してしまいます。

このように、発達障害がある子は、目に入る情報が多すぎたり、強すぎたりすると混乱しやすいのです。

目に入る情報が多すぎたり、強すぎたりすると混乱しやすい<『発達障害・グレーゾーンの子がグーンと伸びた 声かけ・接し方大全 イライラ・不安・パニックを減らす100のスキル』より>

その混乱が、落ち着きのなさや問題行動を引き起こすこともあるので、生活のなかでは、
・子どもが椅子に座ったとき目に入るもの(掲示物や置いてあるものなど)を、できるだけ変化させないようにする
・使わないものはこまめに収納して、多くのものが目に入らないようにする
といった配慮が不可欠です。