虫取すみれ、羽衣草、深山おだまき

●虫取すみれ

すみれという名が付いているけれども種類はすみれとは全然別である。

ただ花がすみれと似ているのでこの名があり、葉は地平に這って何枚もできている。

中央から茎が伸びて花が咲く。葉の表面には細かな毛が生えていて先に玉が付いて腺毛から汁を分泌するのであるから、葉の上にとまった小さな虫(蝿のような大きな虫は駄目である)が粘液のために動けなくなってついに死に、それが消化して植物の栄養になるのである。

ムシトリスミレ(提供:photoAC)

ではこの種のものには根がないかというに、根も立派にあって根から養分を吸収することは彼のもうせんごけと同様である。この種のものにはこうしんそうというのがある。これは庚申山、および日光等に産し、先年帝大の三好学博士が庚申山で発見したので庚申草というのであるが、これらも小さな虫を取る。

●羽衣草

これは信州の白馬山に産する。羽衣草(はごろもそう)といっても名ほど美しくはないが小さな花が咲き、葉は葵に似て七、八寸の高さになり、白馬山が唯一の産地で今日ではその数が乏しくなっている。

初めて白馬山に発見された時羽衣草という名を付けた。

●深山おだまき

ミヤマオダマキ(提供:photoAC)

深山(みやま)おだまきは誰もが知っているおだまきの種類で、おだまきと同じような紫色の花が咲き非常に美しい。日本にはおだまきの種類が三つある。山おだまき、深山おだまき、おだまきで、深山おだまきは八ヶ岳に行くとたくさんある。