乗り越えられない壁はない
乗り越えられない壁などない―いつ何時でも、私はそう思って生きてきました。そして、人にも縁にも恵まれて、いくつもの壁を越えてきたのです。
例えば―。
上京して4年目22歳で銀座のある有名クラブの雇われママになったときには、その店の閉店に伴って発生した1500万円もの売掛金の一括返済を要求されて、高利貸業者に“追い込み”をかけられたこともありました(雇われの身に返済義務があったとは思えないのですが、そんな理屈は通用しなかったのです)。
その後『クラブ由美』開店当時は、他店の策略により高額でスタッフ、女の子が大量に引き抜かれ、営業がままならなくなったこともありました。
でも、そうした騒動やトラブルなどに見舞われたときも、不思議に「怖い」と不安に押しつぶされたり、「どうしよう」と頭を抱えたりすることはありませんでした。
借金を背負わされたときは、真っ先に「どうせ私が返さなければいけないのなら、腹をくくってどう返すか考えよう」と考えました。
大量引き抜きに遭ったときも「卑劣な手段に負けるものか。絶対にみんな戻ってくる」と一切動じなかった。