困難は筋肉トレーニングのようなもの

「壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁がある時はチャンスだと思っている」

ご存知の方も多い、元メジャーリーガーのイチロー氏の言葉です。

誰もが仕事や人生のなかで壁にぶつかるときがあります。もちろん、壁の大きさやぶつかったときの状況などは人によって違うでしょう。

でもそこで共通しているのは、壁にぶつかったときこそ、自分の人生やものごとへの向き合い方の覚悟を決めるチャンスであり、自分を強く大きく成長させるチャンスでもあるということなのです。

筋トレだってそうです。負荷をかけるからこそ筋肉は大きくなり、筋力も蓄えられます。何の負荷も抵抗もなく、ただじっとしているだけでは筋量も増えず、筋力もつかないでしょう。

そう考えれば、仕事におけるピンチや人生における困難は、自分の心を強く、たくましく鍛えるトレーニングのようなものとも言えます。

筋トレと違って、自ら進んで壁に遭遇することはありませんが、もし壁にぶつかってしまったら「心の成長のチャンス」という前向きな姿勢で臨んでみませんか。

大丈夫、あきらめたり投げ出したりしなければ、壁は乗り越えられます。

私自身がその証明でもあるのですから。

※本稿は、『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら - 40年間のクラブ経営を可能にした、なるほどマイルール48 - 』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。


銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら - 40年間のクラブ経営を可能にした、なるほどマイルール48 - 』(著:伊藤由美/ワニブックス)

バブル景気とその崩壊、リーマンショック、そして新型コロナウイルス蔓延による営業自粛など、さまざまな「銀座のクラブ」への逆風を、いかにして乗り越え“一流の接客”を維持し続けることができたのか。そのことを可能にしてきた、著者の48の「マイルール」は、ビジネスパーソンたちへの熱きエール、そしてメッセージである。