伝統的な調理法で素材の味を最大限に引き出して
東銀座は歌舞伎座の裏手。うっかりしていると見過ごしてしまいそうなほどさりげない佇まいを見せる「鮨ふじ田」。オープンして9年、変わらぬ味と値段で根強いファンを持つ一軒だ。
「今年の1月、開店して初めて値上げしました」と語るご主人の藤田真一郎さんは、大衆店から銀座の高級店まで幅広いキャリアを持つ実力派。
最後は恵比寿のウェスティンホテル東京の鮨料理長まで務めたその腕を、ここではランチ5000円~、夜でも1万6000円~で披露。高騰化が続く昨今の鮨業界にあって、嬉しい一軒だろう。
それも、若い人たちにもっと手頃に鮨を楽しんでもらいたいとの思いゆえ。写真のランチセットも、握り9貫に巻物、さらに茶碗蒸しや味噌汁がついて5000円。
ピンの食材は使わずとも、江戸前鮨は、締めたり煮たりの仕事が命。塩と酢で締め3日がかりで仕込む小肌や鯖など一手間かけた鮨だねが秀逸だ。
また、鮨の要の鮨飯にも白酢と赤酢の2種を用意。鯛など淡白な魚介には白酢の酢飯、鮪のような味の強いものには赤酢の酢飯、と使い分けている。
鮨ふじ田
●東京都中央区銀座3-13-5新山ビル1階
●03・6278・7018
◯11:30~14:30(L.O.13:30)、17:30~22:00(L.O.21:00)火曜休(5月14日より日・祝定休に)
●昼/5000円~夜/1万6000円~
●アクセス/東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅A7出口徒歩3分、東京メトロ有楽町線新富町駅1番出口徒歩6分。歌舞伎座より徒歩5分