実は僕、全体のあらすじを知らないの。もちろん出演者だから、全編の台本はいただけるんですよ。でも、いらないって言いました。だって、そのほうが一つ一つのシーンを新鮮に演じられるし、モネちゃんと菅波先生(演じるのは坂口健太郎さん)の恋の行方はどうなるのかなぁ、なんて考えただけでもドキドキしない? 今の楽しみの一つは毎朝『おかえりモネ』を観ること。僕は完全に一視聴者なんです。(笑)
モネちゃんは気仙沼出身、僕は渋谷出身
きっとモネちゃんは故郷の宮城県気仙沼に帰るのでしょう。え、ネタバレ禁止? でもタイトルが「おかえりモネ」なんだからねえ。そこは最初からバレバレでしょう。台本を読んでないから違っていたらゴメン。(笑)
東日本大震災から10年の節目に制作されたドラマだと思うと、感慨深いものがあります。気象予報士というのは一見地味な仕事だけど、天災から人々の命を守るという大きな役割を担っている。モネちゃんが大好きな故郷に帰って、人々の役に立ちたいという気持ち、わかるなぁ。実は僕も生まれ故郷に恩返ししたいなって気持ちが強いから。
僕は渋谷生まれの渋谷育ち。父方の祖父はイギリスから競馬馬を日本に紹介した人で、渋谷区富ヶ谷で「井上馬場」を営んでいました。昔は電車なんてなかったから、うちは馬車で渋谷に買い物に行ってたの。田んぼもあって、今とはまったく違う風景でね。
子ども心に記憶に残っているのは、我が家の窓から見た光景。緑に包まれた大広場が広がっていて……今の代々木公園だね。米軍の兵隊さんが暮らしていた「かまぼこ型厩舎」が何十個と並んでいたんです。