働くことの充足感

働くことの充足感は、仕事内容がよければ得られるかと言えばそんなこともなく、人間関係によるところが大きい。

一人の時間は誰かといる時間があるから楽しい。半ば強制的に人と会わざるをえない環境で、私は「居場所」を得ていたのだった。嫌なことがあっても何もやる気が起きなくても塞ぎこんでも、出社すれば仕事モードになり、その場所のリズムに組み込まれていく。

コロナ禍にライターになったので、ライターの仕事はオンラインが基本だった。編集者さんともメールが基本、打ち合わせもオンライン。もちろん、オンラインが好き、楽という人もいて人によるのだが、私はオンラインのみで仕事のやりとりを完結しないといけないことがものすごくストレスだった。相手の顔が見えない、無機質な文面から感情やテンションが読み取れない。体温を感じない。何を考えているのか分からない。

『死にそうだけど生きてます』(著:ヒオカ/CCCメディアハウス)

オンラインで得られる情報は、対面に比べるとかなり限られる。オンラインで音楽のライブが行われてもリアルには絶対適わない、というようにやはりPCを介してのコミュニケーションは貧弱だ。少なくとも一から人間関係を築く上で、オンラインのみというのは困難を伴う。