人に打ち明けられない不調や悩み。日々医療は進歩し、治療法が開発されていることも。大切な自身や家族の健康は、ぜひ医師に相談してみてください。女性に多い病気を中心に、症状、原因、治療、予防の4つの観点でご紹介します。第28回は、「接触皮膚炎」です。
(取材・文/松井宏夫 医学ジャーナリスト)
この記事の目次
〈症状〉接触部位の湿疹が全身に広がることも
〈原因〉化粧品や毛染めなど、日用品でも起こる 〈治療〉原因物質を特定し、ステロイドで炎症を抑える 〈予防〉おむつかぶれ予防には、こまめな交換を

〈症状〉接触部位の湿疹が全身に広がることも

接触皮膚炎は一般的に「かぶれ」と呼ばれ、刺激物質やアレルゲンに接触することで生じる湿疹です。原因物質が接触した部位には赤み(紅斑)や赤いブツブツ(丘疹)、水ぶくれ(水疱)などが生じて、強いかゆみやヒリヒリ感、痛みをともなうこともあります。さらに、原因物質が長い期間にわたって皮膚に作用すると、皮膚がゴワゴワと硬くなっていくことも。

接触した場所だけに症状が出る「限局性」と、全身に広がる「全身性」があり、多いのは限局性です。限局性の場合は接触部位と同じ部分に赤みや水ぶくれができます。そして、症状が強いときには接触範囲を超えて全身に皮膚炎を生じることがあり、それが全身性です。

症状が出るまでにかかる時間は数時間後ということもあれば、半日、数日、1ヵ月後というケースもあります。

 

かゆみ止めの軟膏にかぶれた腕(写真提供◎しみず皮膚科)