新築未入居物件

まずは、1つ目の物件Bです。冒頭の、眺望が素晴らしかった高台のマンションです。27平米5490万円と、狭いうえに予算も超絶オーバーですが、見るだけです。ターミナルのA駅から徒歩圏で、もちろんオートロック、宅配ボックスも完備、そしてホテルのような内廊下です。内廊下は、古い高級マンションにはよくありますが、容積率不算入(延床面積に含めない)の法改正が1997年9月にされて以降増え、最近はブームが復活しているようです。内見の時は、ちょうどジョギングから帰ってきた住人の若い女性と、エレベーター前で一緒になりました。外資系とかに勤めている高収入の独身者が買って住んでいる、という印象のマンションでした。

建物が完成したのは昨年11月ですが、内見した部屋は、4月現在まで誰も住んでいません。住戸内はさすが新築。天井高も255センチ!と高く、狭さを感じさせません。ちなみに天井高は、法律では210センチ以上と定められ、一般的な分譲マンションでは、最近でも235~240センチがふつうでしょうか。賃貸や古い分譲だと220~230センチになります。収納もあり、引き戸で仕切れば開口部に面したリビングが2室に分けられる、という最近流行りの間取りです。もちろんバス・トイレ別、室内洗濯機置き場あり、さらに、床暖房、浴室乾燥、食洗機と、人気の設備もフル装備。さすが新築です。眺望も立地も、そして設備も素晴らしい。狭さと値段を除けば完璧です! 残念ながら30平米を切っているので、もしローンを組むなら(実住用の)住宅ローンではなく投資ローンになるというのが玉に瑕でした。もちろん住宅ローン控除も使えません。

昔ならワンルームにした広さの部屋を、今は、引き戸などで間仕切りを作り、1LDKにする新築の分譲物件が目立つ。古い20平米台の賃貸物件のリフォームでも、水回りの刷新とともに、間仕切りを作る工事が流行っている。狭くても寝室が確保できると、2人居住が可能になり、割安感が出るからという。

次に行った物件Dもまた、素晴らしい眺望でした。「良いですねえ~この眺望」。7階のモデルルームで、心からそう言いました。南向きのバルコニーの前、大通りを挟んだ向こう側に大きな公園があり、その緑が借景になっていました。ビル群の間からも空が見えます。並びにも向かいにも高級マンションが建ち並ぶエリアです。C駅からの道も平坦で、猥雑な繁華街のない、落ち着いた町並みです。

こちらは35平米。直前に27平米を見たせいか、十分広く感じました。天井高は245センチと、こちらも一般的な分譲マンションよりも高めです。二重床二重天井、スラブ厚20センチと、性能面でも申し分ありません。床暖房、ミストサウナ、浴室乾燥も付いています。もちろんオートロック、宅配ボックス完備、内廊下。ペット可マンションなので、ペット用足洗い場も共用部に完備とのこと。さらに、30平米を超えているので、こちらでは住宅ローンが使えます(残念ながら40平米以下なので住宅ローン控除は対象外ですが)。

ただし、こちらも5570万円と、私の予算を大きくオーバーしていました。現地を案内してくれた担当者は、マンションを建てたデベロッパーの社員さんでした。「良いですよね、この景色。私が買いたいくらいです」と社員さんも「自画自賛」します。2022年9月完成ですから、ほとんどの部屋はすでに暮らし始めています。「残り3戸ですので、先着順です。ぜひローンの事前審査だけでも、受けておくことを勧めます」と、しきりにローン審査を勧められました。確かに、他の誰かが見に来て(見に来なくても)、買うと手を挙げたら売れ切れごめんです。しかも、新築物件は中古と違って仲介手数料が要りません。中古だと、物件価格に1割を足して用意しなくてはいけませんが、新築の場合はデベロッパー直販だからです。また、新築は最初から提携銀行の提携ローンがセットになっています。D物件の場合、提携銀行で金利は0.345%で借りられると言います。それは魅力的です。