この記事の目次
〈症状〉血管が浮き出て、でこぼこに。潰瘍ができることも 〈原因〉静脈が緩み、圧力がかかり、弁が壊れる
〈治療〉レーザー治療が保険適用に。日帰りで根本治療が可能
〈予防〉立ちっぱなしを避ける。ダイエットも効果的

〈治療〉レーザー治療が保険適用に。日帰りで根本治療が可能

静脈瘤がふくらまないようにおさえつつ、足のむくみを取るには、弾性ストッキングの着用が効果的です。ただし、効果があるのははいている時だけ。対症療法なのでこれで完治させることはできません。

下肢静脈瘤の治療には、瘤を取ることと、根本原因である静脈の逆流を止めることの2つが必要です。瘤をなくすには、硬化療法という治療があります。瘤に硬化剤を注射し、皮膚の上から圧迫して潰します。皮膚を切らないという利点がある一方、欠点は、色素沈着を残すケースが多いこと。切開して瘤を取り出したほうが確実です。

逆流を止めるためには、入院して行うストリッピング(静脈抜去術)という手術がこれまで主流でした。腰椎麻酔か全身麻酔をかけて、足の付け根を切開したうえで逆流の原因となっている静脈を引き抜いてしまいます。枝のように出ている静脈を引きちぎるので、治療後はあざができ、1週間ぐらいは痛みが残りますし、神経障害が出ることがあります。

一方、今年1月から保険適用となったのが、レーザー治療です。弁が壊れた静脈にレーザーファイバーを挿入して、内側から焼き、血管を閉塞させて逆流を止めます。局所麻酔で行われ、治療はレーザー治療だけなら20分ほど、静脈瘤切除を同時に行う場合は1時間ほどで終了します。手術が終わって20~30分で普通に歩けるので、日帰りが可能です。ストリッピング手術は痛みを伴い入院が必要でしたので、症状が悪化してから手術に踏み切る患者さんが多かったのですが、レーザー治療はもっと早い段階でも抵抗なく受けられると思います。

このレーザー治療はこれまで30万~40万円の自費診療で行われてきましたが、保険適用になり、治療費は3割負担で4万円余りになりました。ただし、保険が適用されたのは、複数あるレーザー治療機器のうち1機種だけなので、それ以外の機器では保険診療はできません。受診する時は、保険適用されるかどうか、病院に確認してください。