子どもたちには、英語も日本語も話せるバイリンガルになってほしいと考えていましたし、実際、ナイジェルは小学校に入るまで日本語がペラペラだったんです。仕事に出かけるチャーリーに、「お弁当持った?」なんて話していましたから。

でも、学校に通い出すと難しいですね。授業も友達との会話も英語なので、日本語で話しかけても英語で返ってくるようになりました。私もそこで頑張り切れず、だんだん家での公用語は英語に。週末に日本語学校に通わせようとしたこともあったのですが、結局スポーツ優先になっていきました。

ただナイジェルは、いまも日本語を聞けば理解できますし、叱るときについ日本語が出る私の口癖「なにやってんの!」などは、ニコールやラーズも口にしますね。

食卓にはごく普通に日本食を並べるので、みんなお箸も上手に使えます。お弁当におにぎりを入れると、学校で不思議な目で見られることもあったみたいだけど。(笑)

それにわが家は、玄関で靴を脱ぐスタイル。こんなふうにチャーリーが日本文化を受け入れてくれるから、私がストレスなくアメリカで長く生活できたのかもしれません。

<後編につづく


ヌートバー久美子さんの記事が掲載されている『婦人公論』6月号は好評発売中!

『婦人公論』6月号の目次、購入はこちら