先斗町駿河屋 竹露

青竹の香りをおびた
さわやかな水羊羹。
口の中で溶けながら
ひんやりと
喉に落ちてゆく

若竹に流しこまれた水羊羹。笹の葉で蓋をされ、竹かごに入れられたそのすがたを見るだけでも、涼風が吹くようです。竹の香りをおびた瑞々しい羊羹を口にすると、竹や小豆の精気をいただいている気分になります。素材の美味しさを感じさせる涼菓です。

 

竹流しの水羊羹は、京都の菓子舗ではこの季節よく見かける人気商品。先斗町駿河屋では戦後から作り始めたといいますが、先斗町という場所柄もあって、お茶屋さんの得意先へのお土産に、観光客のお持ち帰り菓子の定番として、喜ばれています。こし餡と寒天と砂糖だけでつくる水羊羹の日持ちは三日間。出来立てを求めるために、花街散策の折には、ぜひ立ち寄ることをお勧めします。

冷蔵庫でしっかり冷やしていただくもよし、氷を張った鉢に入れて、目で楽しみつついただくもよし。夏にしか味わえないフレッシュな羊羹です