メンデルの「分離の法則」

ここで、全兄弟の種牡馬たるブラックタイド、ディープインパクト、オンファイアにおける違い、さらにはドリームジャーニー、オルフェーヴル、リヤンドファミユにおける違いをちょっと考えてみるのもいいかもしれません。

同血なんだから種付料も同じでいいじゃないか、とは誰も思わないでしょう。

ついでながら、ドリームジャーニーとリヤンドファミユは鹿毛、オルフェーヴルは栗毛です。

ステイゴールドとオリエンタルアートの配合において、その仔が鹿毛系か栗毛系かの比率は、メンデルの「分離の法則」に則れば1:1です。

当たり前ではありますが、どの毛色の遺伝子をもらうかは全きょうだいでも個々により違い、これは前述したコインを投げて表も出れば裏も出る話と同じです。

※本稿は、『競馬サイエンス 生物学・遺伝学に基づくサラブレッドの血統入門』(星海社)の一部を再編集したものです。


競馬サイエンス 生物学・遺伝学に基づくサラブレッドの血統入門』(著:堀田茂/星海社)

本書は、生物学・遺伝学的観点から説明する競走馬の血統入門書です。「遺伝子」や「ミトコンドリア」「メンデルの法則」といった中学校の理科の授業で習った基礎から最新の研究論文まで、一緒に血統と遺伝を学びましょう。