「既にあるもの」とは「モノ」だけではない

そもそもですが、あの本で私が記した「もの」とは、カタチのある「モノ」を前提として執筆していました。

たとえばそれは家にある衣類や家具。

普段、何気なく使っていたり、家のどこかに眠っていたりするようなものでも、あらためて引っ張り出して一工夫することで、新鮮な印象や空間に生まれ変わったりする。

自ら試してみて、良かったと感じた「モノ」についてのノウハウを、可能な限り記したつもりでした。

着物をリメイクして作ったワンピースを着て(写真:著者)

しかし、感想を寄せてくれた方は、「既にあるものとは、そうしたモノだけではない。たとえば自分の内面を見つめ直すことが、すごく大切であることに気づかされた」と仰っていたのです。

ここで言う内面には、喜怒哀楽といった感情はもちろん、それまでの人生で通過した経験なども含まれているはず。

もし外からの刺激で「妬み」のような、あまり歓迎しない感情が起きたときにも、まずは、自分のなかに蓄積されたものを見なおしてみる。それでやり過ごすことができる場合も多いのでは、ということなのでしょう。