私、子どもがいないでしょう。姪にこれ以上、迷惑はかけられないと思って。もう施設に入ろうと決めかけたとき、弥生さんが「大丈夫。サポートするよ」と言ってくれたんです。うれしかったですねえ。その言葉をまっすぐ信じさせてもらうことにしました。
心が決まったら、体にも力が湧いてきて、「よし、まだまだやれるぞ!」と。(笑)
実は、22年2月にも少し体調を崩して入院したんです。でも幸い元気になって戻ってこられました。仏壇の扉を開いて夫の良英さんに「戻りゃんした」とあいさつしたら、すぐさま畑へ。山はもう、春の気配です。
ああ! やっぱり、ここが私の居場所だ。繰り返しの毎日が、何より幸せなんだと改めて思いました。おかげさまで今年は、病気一つせず元気に過ごしています。
変化を受け入れ柔軟に生きる
この「三つまた鍬」、古ぼけているでしょう。もう半世紀以上使い込んでいるから、先がちびて丸くなってね。でも、まだまだ現役。私の手も、この鍬と同じです。しわくちゃだけど、とびきりの働き者。
若い頃から「錆びない鍬でありたい」と願って生きてきました。体も頭も使い続けていると錆びない。そう教えてくれる鍬は大切な宝物です。
最近思うのは、変化を受け入れて、柔らかく対応するのも大事だということ。重い荷物を一つずつ下ろし、上手に人に頼って、無理せず暮らしたいものですねえ。
小さな畑も、近所に住む親戚で、私と同じく教員をしていた金丸先生に手伝ってもらうようになりました。ありがたいことです。