がんが見つかったきっかけ
「肺がんと診断された時、青木さんは何か症状があったんですか?」
笠井さんは不調で病院に行ってがんが見つかった。わたしの場合、肺にカゲが見つかったのは人間ドックだった。
「いや、全く。なにもなくて。肺がんていうと、咳が出るとか声が出にくい、痩せる、という、まあイメージなのかもしれませんけど、全くありませんでしたから。何かの間違いかと思ってました」
ですよね、肺がんてね、咳き込むってイメージありますよね、と頷きながら笠井さんは続けた。
「青木さんは、がんだと診断を受けた時に、どういった心境だったのでしょう?」
「親はがんでしたし、祖父も。いわゆるがん家系というんですか。いつかがんになるかもしれない、とは思っていました。ですが、実際にがんだと言われましたら、そのインパクトは、いや~重たくて。想像と、実際なるのでは全く違いました。これからの仕事のこと、お金のこと、子供のこと、手術がこわい、一気に不安が押し寄せてきましたね」
「青木さん、立ち入ったことを聞きますが」
「はい、なんでも、どうぞ。ははは」
「シングルマザーで、いらっしゃる」
「そうです、当時、娘は小学校低学年でしたから」
「大変でしたね」