辛さをさらけ出すこと

人によっては「立ち入ったこと」かもしれないが、わたしは隠し事は特にない、聞かれたら困ることも多分ない。もちろん最初からそうだったわけではない、がんだったと初めて公表した時、離婚すると発表した時。世間にどう思われるのだろう、腫れ物扱いされるだろうか、可哀想と思われるだろうか、公表したはいいが触れられたら急に自分が泣き出してしまうメンタルの状態ではなかろうか。眠れない日もあった。

しかし、さらけ出すことは、わたしを楽にした。辛かったことを話していくことで、少しずつ苦しい思い出が軽くなっていった。書くことも、話すこともそうだが、かつてを思い出すことは、「ああ、自分は、あの時の辛さが過去のものになったんだ」と感じることができる。経験を聞いてもらえる機会が、わたしは大好きである。(病気だった時の話、人様に聞いてもらえるなんて万歳!)

「入院は何日ほど?」

「5、6日でした」

わたしの場合の肺がんは初期だったので、その程度の入院期間で済んだ。

壇上で話す青木さん