実家は、やはり欠陥だらけだった

いきなり、あなたは虐待を受けていたと言われたら、誰だって混乱するだろう。無意識のうちに、自分が受けた被害に蓋をして、考えないようにしていた。それが、いきなり過去の記憶が引きずりだされたのだ。被害を自覚することは、前進するために必要なプロセスかもしれないが、しばらく精神的にしんどかった。

父から送られてくる大量の手紙を開封できないし、電話にも出られなくなった。すると父はしびれをきらしてまた電話をかけてくる。耐えられなくなって着信拒否をした。

でも、その拒絶反応は長くは続かなかった。だんだんと落ち着いていって、結果的に実家に帰れるくらいにはなった。久々に帰った実家は、やはり欠陥だらけだった。トイレの電気は付かず、夜はスマホのライトで照らす必要がある。

壊れたシャワーヘッド。何がどうやったらこうなるのやら

お風呂のシャワーは壊れて、使うと噴水のように水が根元から吹き出し、8割の水が漏れてしまう。それを1年以上放置しているというのだから驚きだ。シャワーヘッドを格安のものに替えてから、すぐに壊れてしまい、修理するお金もなくそのままにしているのだという。お金がないのと、どうしたらいいかわからないのとで、家は様々なところが故障したまま放置されている。