親への思いは複雑なまま

父への感情は相変わらず複雑だ。毒親は捨てるべき、という考えが浸透し、それが救いになる人がいる一方、親との関わり方の答えは人の数だけあるように思う。親への感情はそう簡単に割り切れるものではない。

それにどんな決断をしたって、結局苦しむのだろう。私の場合、縁を切ることで、余計に傷が深くなる気がしている。だから、向き合えない時は一旦絶つ。それでいいのだと思う。

父への感情は憎しみではない。一番は「可哀そう」なのだ。複雑な家庭環境で育ち、病気や怪我を繰り返し、精神障害になって働けなくなり、社会からも孤立。受けるべき社会的支援も受けられていない。どこをとってもあまりに悲惨で、考えるだけでいつも涙が出る。
(もちろん、それが暴力をふるったことの免罪符になんてならない。)

親を捨てる、親に尽くして親孝行する。私にはどちらも合わない気がする。親への思いは複雑なままである。

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