イラスト◎岩田リョウコ

新型コロナウイルス感染症の水際措置が緩和され、さまざまな場面で海外交流が増えるのではないでしょうか。12年間のアメリカでの生活の後、日本に帰国して執筆活動をしている岩田リョウコさんが教える、現地での英会話の基本とは。日本とアメリカでは恋愛事情が異なり、使用する英語も、直訳では理解できない場合が多いとのことで――。

アメリカの恋愛事情と恋愛英語

まだアメリカ文化をあまり知らなかったときも、アメリカに住んでしばらくたったときでも「え? そうなの?」と驚かされるのが、日本とアメリカの恋愛事情のちがい。

こればっかりはどれだけ英語が通じて心が通じ合っても、そもそも生まれ持った文化のちがいや習慣のちがいでお互いの「あたりまえ」がぶつかり合うこともしばしば。

同じ国でもぶつかりますからね。歩み寄る、理解するというのは異言語でも異文化でも同じ国であっても大切なことだと思います。

アメリカの恋愛事情でわたしが知ってびっくりしたこと、理解したことを上げていきたいと思います。ただ人によってそれぞれちがうので、アメリカ人のみんながみんなそうとは限りません。

「デート」という言葉は日本でも使います。みなさんが思い浮かべるデートは、いいなと思っている人や好きな人と食事に行ったり、映画を観に行ったりすることですよね。それが続いていくと、付き合いましょうと意思確認をしてカップル成立みたいな流れがスタンダードでしょうか。

多様性の時代なので何をスタンダードとするかは人それぞれですが、一応日本では、「出会い→デート→付き合う」みたいな流れですね。アメリカでも同じようにデートがあります。デートに行くことを「 go on a date 」と言います。

I'm going on a date today.
今日これからデートあるんだよね。

みたいな感じです。何回か「 on a date 」 をして、2人で会うことが定番になってくると現在進行形に変わって、

We are dating.
I'm dating someone.

となります。「わたしたちデートしてます」、「デートしてる相手がいるの」てな感じです。

「We are dating」ってすなわち付き合ってるってこと? じゃあdate から dating に変わるときの「付き合ってください」という言葉はどう言えばいい?ですが……言わない! まず、ないんです、その言葉。

アメリカではカップルのようによく会っていて、お互いの家に行って、泊まって、いわゆるセクシータイムがあったとしても、まだ彼氏・彼女(または彼氏・彼氏、彼女・彼女)という肩書きをすぐにはつけないことが多いです。