「食」に根ざした賢い行動

嘴で石鹸を引き上げるハシボソガラス(江戸川河川敷)(写真・唐沢孝一)

嘴で紐を挟んで引き上げ、引っ張った紐を足爪で押さえ、さらに紐をくわえ直して引っ張り、ついに石鹸をたぐり寄せた。石鹸を吊つ り上げるのに成功したのは見事な「足技」にあった。

カラスは確かに賢い鳥だ。そう思わせる行動の大部分は「食」が絡んでいる。何としてもこれを食べたい、その願望の強さが、いかに獲物を捕らえ、調理し、隠すかなどの工夫につながっている。

これまでカラスの賢い行動といわれたものとしては、上空からクルミや貝を落として割る行動、路上にクルミを置いて車に割らせる行動、ニューカレドニアカラスでは小枝を折って作った道具で朽木内に潜む幼虫を引っ張り出す行動、あるいは針金を曲げて作った道具で容器の中の食べ物を引っかけて取り出す行動などが知られている。いずれも、「食」と結びついた行動ばかりである。