注目は「レジスタントスターチ」

善玉菌が好む水溶性食物繊維は、納豆やオクラ、里イモ、なめこなどネバネバした食品のほか、もち麦(大麦)、そばなどの穀類、リンゴやバナナなどの果物類、ワカメなどの海藻類に多く含まれます。しかし、不溶性に比べ水溶性食物繊維は野菜に含まれる量が少なく、不足しがちに。たとえば白米にもち麦を混ぜて炊くなど、意識して食事に取り入れる必要があります。

そこで私が最近注目しているのが、「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」です。糖質の一種ですが、胃や小腸では消化されず大腸の奥まで届いてくれます。

この成分が何より素晴らしいのは、不溶性と水溶性、両方の食物繊維の性質を兼ね備えていること。便のかさを増して腸の蠕動運動をサポートしながら、善玉菌の良質なエサにもなる、まさに《二刀流》の成分なのです。

●レジスタントスターチの働き

レジスタントスターチは、穀類や芋類、豆類など普段からよく食べる食材に含まれている点も魅力。加熱すると減り、温度が下がると増える性質のため、ご飯は常温に冷ます、ジャガイモはポテトサラダにするなどの工夫で、効率よく摂取できます。

それでも食事に取り入れるのが難しいという方には、バナナがおすすめです。特に、頭とお尻に緑色が残っている「グリーンチップバナナ」は、黄色く熟したものに比べてレジスタントスターチが豊富に含まれています。

食べる量は、できれば1日2本。朝食と一緒に食べても、間食に取り入れてもOKです。腸活で最も大切なのは続けること。調理の必要がなく手軽に食べられるバナナは、腸活の強い味方と言えます。

ここまで食物繊維の重要性についてお伝えしてきましたが、成人女性は食物繊維を1日18g摂るべきところ、15gほどしか摂れていないのが現状です。食事だけで摂取するのが難しい場合、食物繊維を補うサプリメントを活用してもかまいません。