稲垣さん「最終的に人を支えるのは『金でも名誉でもなく家事力』」だそうで――(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
人生100年時代、物価の高騰、戦争、災害など暗いニュースが続くなか、老後の「経済的な不安」は誰しも抱えているもの。そんななか、「お金に頼らない生き方」を実践しているのは、朝日新聞社を早期退職後、フリーランサーとして活躍している稲垣えみ子さん。稲垣さんは、夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしの「楽しく閉じて行く生活」を模索中です。その稲垣さん「最終的に人を支えるのは『金でも名誉でもなく家事力』」だそうで――。

自分の後始末を他人に丸投げしてる

そうなのだ。自分のことを自分でやるって、実は自分の心身の健康のためにとっても大事なことなのだ。

掃除だって、お母さん一人が全部の部屋を掃除するから大変だし腹も立つんであって、お父さんも子供も自分が散らかしたものは自分で片付け、自分が汚したものは自分で掃いたり拭いたりすれば、実は全く大変なことでもないし、各々の精神衛生上もいい。

なのに、なぜそうしないのか。

家族が一緒に暮らしているからといって、なぜ家事を「分担」して、誰かが全員分のものをまとめてやらなきゃいかんのか。

「効率的」だから?

いや実はここにはワナがあって、現実は決してそうとはいえないのではないでしょうか。

分担といえば聞こえはいいが、各種調査を見れば現実にはお母さんが多くを引き受けている場合がほとんどで、結局お母さん以外のメンバーは自分の後始末を他人に丸投げしてるんである。

つまりは、お母さん以外のメンバーは全員がワガママな王様お姫様王子様状態、 やりたい放題欲望全開。

だらしなく欲望を垂れ流し、とどまるところを知らない。