コレステロールより注意が必要なのは中性脂肪の数値だと言います。血中に中性脂肪が増えると、血液がドロドロになって動脈硬化が進むからです。
「中性脂肪はHDLを減らし、さらには血中に残ったLDLを小型化して“超”悪玉コレステロールに変えてしまいます。“超”悪玉コレステロールは酸化しやすく、血管壁に入り込んで血管細胞を傷つけ、動脈硬化を急激に進ませるのです」
実際、超悪玉コレステロールが多い人は心筋梗塞の発症リスクが3倍になるという研究報告もあります。
血糖値の急上昇と酸化を防ぐ食事で予防を
特に、更年期以降の女性は超悪玉コレステロールの増加に注意。女性ホルモンのエストロゲンが減少するとHDLコレステロールが減り、LDLコレステロールが増えやすくなるからです。しかも、脂質代謝が低下して中性脂肪がたまりやすくなるとのこと。
「まず、食生活の見直しが必須です。中性脂肪が増える最大の原因は糖質(食物繊維を除く炭水化物)の摂りすぎ。余分なものは脂肪として蓄えられます。また、血糖値の急上昇を抑えるために分泌されるインスリンは、糖質を脂肪に変えてため込む作用があるため、中性脂肪がさらに増えてしまうのです」
そこで大切になるのが、糖質の摂取量を減らすとともに、食べ方を変えること。食事は糖質の少ない野菜や海藻類から、次に主菜、最後に炭水化物という順番で摂りましょう。
「この食べ方をすると、血糖値が急上昇しにくく、インスリンの分泌が抑えられます。さらに、抗酸化作用の高い食べ物を意識的に摂ることも大事。超悪玉コレステロールができても、酸化しなければ血管を大きく傷つけることはないからです」
次ページからは、コレステロール値と中性脂肪値を適正に整える具体的な方法を紹介します。