イラスト:かやぬま優
厚生労働省が行った令和元年「国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の男女別に運動習慣改善の意思についてアンケートを取ったところ、「関心はあるが改善するつもりはない」者の割合が最も高く、男性23.9%、女性26.3%だった。趣味、あるいは健康のためにエクササイズを始める人が多い中、うまくいく人も、いかない人もいるようで……。清水明恵さん(仮名・大阪府・会社員・45歳)は家族から体型を指摘され、手軽にできる運動を始めたところ――。

家族から運動不足を指摘されて

私は小さい頃から足が太い。私に似ず足が細い娘は、「ママ、痩せなよ」と毎日のように言ってくる。太くても健康ならいいと思っていたが、ある日とうとう、お気に入りのズボンの内股が破けた。

「それ、太ってる人じゃないと破れない場所よね」と母に笑われ、むきーっと腹が立ったが、事実だから仕方ない。「出産後、服のあちこちがきつくなったのよね」と言えば、「それは出産のせいじゃなくて加齢のせいよ」とさらに突き落とされる。

「この先ますます筋肉が衰えるから、せめて現状維持しないとたるむし、最悪、寝たきりになるわよ」と脅され怖くなった。

そこで、引き締まった健康的な体を手に入れるべく運動を始めることにしたが、インドア派の私は外出が大嫌い。仕事も家でしているので、どこで運動したらいいか悩んだ。

まずはお金をかけずにやれることからやってみよう。ユーチューブで調べてみると、「HANDCLAP」なるダンスエクササイズ動画を発見。動画のインストラクターと同じ動きをするだけ。15分、30分と長さを調節できるようで、さっそくプレイしてみる。

ノリのいい曲に複雑な振り付け。面白いがきつい。しかしここでやめたら負けだ。息を切らし、滝のような汗をかきながら15分。踊り切った!と思ったその瞬間、グキッとふくらはぎに激痛が。膝に力が入らなくなり、床に転がって尻もちをつく。

着地に失敗したのだ。痛みが落ち着いてから、ケンケン足で近所の整体に。左のふくらはぎの肉離れだった。