同居する甥の妻と険悪な関係にあることは、姉から聞いていたため、「彼女の責任なのだから、あちらの実家を担保にしたら?」と言いましたが、2人とも聞く耳を持ちません。

姉の行動は、息子が借金を被ったら大変だという親心からだと理解できます。でも私としては、姉がこの先、万が一ひとりで生きていかなければならなくなった時、両親が残した家や山などの財産を使ってほしいと思っていました。

実家を継いでくれたからこそ、すべてを譲る覚悟をしていたのです。それなのに甥の妻の借金返済のために使うなど、呆れてものも言えません。「お願いだから放棄して」と泣き落としにかかる2人に辟易した私は、「急な話だし、考えさせて」と話を終わらせ、その日は引き取ってもらったのです。

しかしその後も昼夜を問わず、「相談があるから、今から来て」と姉から連絡が入るように。姪夫婦も呼んで何度か話し合いを重ねるも、姉と甥は「家を甥の名義にし、担保に入れて返済する」と言って聞きません。

とうとう私は、「姉の老後の面倒は必ずみる」という条件を甥がのむならば相続放棄してもいい、と折れることにしたのです。