お墓のことで甥と絶縁を決意
望みどおりになったはずなのに、その後の姉の言葉の端々には、息子の妻の借金で自分の財産を失ったことに納得できていない様子が滲み出ていました。
それから数ヵ月後、姉から耳を疑うような電話がかかってきたのです。
「彼女は子どもを連れて実家に帰った。息子も後を追って出て行ったわ」
怒り心頭で、「お姉ちゃんの面倒をみるというから、私は相続放棄をしたのに!」と言葉が口をついて出ましたが、沈んだ声の姉をそれ以上責めることはできませんでした。
しばらく経ったある日のこと。甥から1本の電話がかかってきました。姉が脳梗塞で倒れて入院したと言うのです。驚いて病院に駆けつけると、甥は「仕事の通り道だからよく実家の前を通っていたが、いつも明かりが点いていたから大丈夫だと思っていた」「たまたま立ち寄ったら倒れていた」と淡々と話すばかり。
親の面倒をみるという約束を破ったうえに、様子を見に行くことすら怠っていたのか……。さらに甥は、「叔母さん、僕は仕事があるからお母さんを頼む」と言って病室を出て行ってしまいました。