2023年6月24日からスタートするNHKの土曜ドラマ『やさしい猫』でシングルマザーのミユキ役を演じる優香さん(撮影◎米田育広)

2023年6月24日からスタートするNHKの土曜ドラマ『やさしい猫』。この物語では、優香さん演じるシングルマザーのミユキと、ミユキの娘・マヤ、スリランカ国籍のクマラ(通称:クマさん)の家族の愛と絆が描かれている。原作は、直木賞作品『小さいおうち』などで知られる中島京子さん。ミユキ役のオファーを受けた際、優香さんは原作の素晴らしさに感銘を受けると共に、前向きな意欲を抱いたという。作品の魅力や母としての思いを聞いた。

(構成◎碧月はる 撮影◎米田育広)

ミユキ役は自分にとって挑戦だった

子どもを産んでからは、撮影に長期間かかる仕事はなかなか難しいと感じていました。でも、お仕事と子育てのバランスを探っている最中に、こういう「家族の物語」のオファーをいただいて。お芝居に初挑戦されるオミラ・シャクティさん(クマラ役)との共演という意味でも、自分の中で「大きな挑戦だな」と思いました。「これはやってみたい」ーー素直にそう思えたのが、率直な感想です。

原作が素晴らしかったことも、オファーを受けた理由の一つです。本当に素敵な作品で、読み終えた後は号泣してしまいました。原作は、娘のマヤの語り口で物語が進んでいきます。その口調が柔らかいおかげで、「入管」という難しい問題が伝わりやすいものになっているのではないかと思います。マヤが誰に対して語りかけていたかは、ドラマ最終回で明らかになります。

私が演じるミユキさんは、誰に対しても態度を変えず、分け隔てなく接する人です。旦那さんを亡くしてからは、シングルマザーとして人に頼らず生きてきました。まっすぐで芯が強いながらも、悩んだり葛藤したりする姿もあって、自然と応援したくなるんですよね。太陽のように明るくて温かい人で、クマさんもミユキさんのそんなところに惹かれたんだと思います。原作のイメージを大切に演じました。

私が演じるミユキさんは、自然と応援したくなるような人(写真提供:NHK)

『やさしい猫』は、「入管」という重いテーマを扱ってはいますが、家族がどうやって問題に立ち向かっていくか、どのように支え合い、思い合っているかを描いた「家族の物語」です。スタッフ、キャストの皆さんと一緒に、「いいドラマにしたい」という思いで毎日撮影をがんばっています。