統合失調症は入院期間が長い傾向がある
現在の統合失調症の薬は、幻聴をある程度抑える効果はあっても、認知障害への効果は不十分です。
症状が軽い人や症状が治まる人もいますが、長い期間にわたって症状に苦しめられ、ずっと入院したままの患者さんもいます。
がんや糖尿病など、あらゆる病気の中で入院期間が最も長いのが統合失調症です。患者さん本人や家族の人生に大きな負担を強いることがある疾患です。
先ほどお話ししたように、統合失調症の患者さんの脳では、アルツハイマー型認知症のような細胞死による脳の大きな萎縮はありません。
おそらくシナプスのほんの少しの不具合が原因であると多くの研究者が考えており、その根拠は遺伝学研究です。