「神経細胞」と「グリア細胞」

脳をつくる細胞は、神経細胞とグリア細胞に大きく分けられます。

脳内で炎症に強く関わるの はミクログリアというグリア細胞の一種です。ミクログリアは脳における免疫を担当しており、異物がないかどうかセンサーで常に探索しています。

脳をつくる細胞は、神経細胞とグリア細胞に大きく分けられます(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

そして異物を発見するとミクログリアは活性化して異物を排除します。このとき、炎症が起きます。

ミクログリアが異物を探すとき重要なはたらきをするセンサーが、Toll様受容体(Toll-like receptor:TLR)です。

ウイルスや細菌など病原体由来の異物をTLRが捕まえるとミクログリアが活性化して脳内炎症が起きるのです。

TLRは、ウイルスや細菌に感染していないときにもはたらくことが分かってきました。

何らかの理由で細胞が壊れて細胞内にあった物質が周囲にまき散らされたりすると、そのような内因性のダメージ関連分子をTLRが捕まえてミクログリアが活性化します。

すると、炎症を引き起こすサイトカインというタンパク質(TNFαやIL-1)を放出します。それらのサイトカインは、神経細胞の機能を低下させたり樹状突起を退縮させたりする作用があると考えられます。

病原体に感染していなくても、ストレスによって内側前頭前野でダメージ関連分子が発生し、それをTLRが捕まえてミクログリアが活性化し、脳内炎症が起きて樹状突起が退縮し、うつ病が発症するという仮説が考えられます。