やりたいことがまだまだある

生まれつき楽天家と言うのか、私は何事につけてもくよくよ考える癖がないのです。誰でもいつかは老人になって行くものです。その流れに逆らわずに毎日毎日を暮して行けば、私のようなものでも、こんなに長生き出来るものなのです。

でも、ただぼんやり生きているのは可厭(いや)なのです。どんなことでもよいから、目的をもって生活して行きたいと思っているのです。

この歳になった私でも、やりたいことがまだまだあるのです。人生はほんとうに愉しいとはお思いになりませんか。

 

※本稿は、『九十歳、イキのいい毎日』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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五木寛之「好きな人とはあえて深くつき合わない。細く長く淡々と続けたいから。『日刊ゲンダイ』のコラムは1日も欠かさず半世紀近く、1万1600回書き続けて」

九十歳、イキのいい毎日』(著:宇野千代/中央公論新社)

陽気は美徳、陰気は悪徳を信条に98歳の天寿を全うした小説家・宇野千代。毎日、机の前に座り、食事を作り、週に1日だけ大好きな麻雀に興じる。83歳から最晩年まで、前向きでイキのいい毎日を綴った随筆選集。「私の文章作法」「私の発明料理」も収録。