「ジョブ型」雇用へ転換の流れ
とはいえ、現在はグローバル企業を中心に、メンバーシップ型雇用から通年採用などを前提とする「ジョブ型」雇用の仕組みに人事システムを転換させようとする流れも、各所で見られ始めています。
経団連はこれまで学生の新卒採用に関する企業側の倫理憲章、いわゆる「就活ルール」を定めてきましたが、21年春に大学を卒業する学生たちからはそのルールも廃止。現在も政府の主導でルールは維持されているものの、従来の仕組みは徐々に崩れ出しています。
一部の企業では、特定の高度なスキルを持っている人材に対して新卒採用直後から1000万円以上の年収を提示するなどの動きも現れています。
このように働き方を取り巻く状況が変わってくれば、社会人が大学や大学院で学び直す風潮が今後強まることは考えられます。
企業側の動向や、大学側がそのニーズに応えられる魅力的なプログラムを用意できるかどうか次第でしょうか。
また、海外から留学生を集めれば良いという声も聞かれます。確かに魅力的なカリキュラムや学習環境、充実した奨学金制度などを用意し、優秀な留学生の獲得に成功している大学も一部にあります。
多様な学生が学ぶ環境を作ることは日本人の学生にとっても大きなメリットとなるでしょうし、長期的に見れば避けて通れない道でしょう。ただしこちらも実現は容易ではありません。