「ゲーセン」はビジネスとして時代に適応していない

ゲーセンの経営は楽ではない。

100円だった缶ジュースが140円くらいになっているのに、ゲーセンでは相変わらずワンプレイ50円や100円なのを見れば予想がつくだろう。

『ゲーセン戦記-ミカド店長が見たアーケードゲームの半世紀』(著:池田稔・ナカガワヒロユキ/中央公論新社)

それどころか、ネットワーク化されたゲームはメーカーがお店側からプレイ料金を取っていくので、実際はワンプレイ70円しか儲からなかったりする。

正直、ビジネスとしてはまったく時代に適応していない。

気づけばゲーセンはクレーンゲームやプリクラやメダルゲームなどの、大きくてきらびやかなマシンが並ぶ空間になり、薄暗い空間にビデオゲームが所狭しと並ぶ、昔ながらのお店はほぼ絶滅してしまった。

ミカドは後者の薄暗いほうのゲーセンなのだが、よく「なんで生き残ってるんですか?」と聞かれる。そのときやれることを必死でやっているだけだが、ふたつほど明確なポイントがある。

これはゲーセンに限らず、他の業界でも通用することだと思うので、そこをまず説明しておこう。