歯周病によって新型コロナで死亡する確率が8.81倍に高まる
なお、アメリカの権威あるジャーナル『ジャーナル・オブ・クリニカル・ペリオドントロジー』に掲載された論文を、大阪大学の天野敦雄先生が著書『長生きしたい人は歯周病を治しなさい』(文藝春秋刊)においてまとめたデータによれば、歯周病による新型コロナウイルス感染症の重症化リスクは以下のとおりです。
歯周病と重症化の割合
・歯周病がある人 258人のうち、重症化したのは33人(12.8%)
・歯周病がない人 310人のうち、重症化したのは7人(2.3%)
歯周病と新型コロナウイルス感染後のリスク
・死亡する可能性 8.81倍
・人工呼吸器を使用する可能性 4.57倍
・集中治療室に入院する可能性 3.54倍
・合併症発症の可能性 3.67倍
歯周病と新型コロウイルイス感染症の重症化の関係性もまた未解明の部分が多く、今後の研究成果を待つ必要があります。
しかし、データはあきらかに相関性があることを示しています。
2023年のいま、コロナ禍はもう収束するのか、まだ数年にわたって続くのかは、一介の歯科医にはわかり得ません。
しかし、今後の感染拡大があるとしても、歯科クリニックへの受診は「コロナ対策」の一環であることを踏まえ、徹底してほしいと思っています。
※本稿は、『小さな町で評判の歯科医が解説 歯周病になったらどうする?』(アスコム)の一部を再編集したものです。
『小さな町で評判の歯科医が解説 歯周病になったらどうする?』(著:亀井孝一朗/アスコム)
「歯周病は、みなさんが思っている以上にとても危険な病気」です。老化や不調、そして病気まで、歯周病が進行することであなたの体にさまざまな害がもたらされる危険性があるのです。だからこそ、ぜひ本書で歯周病の改善、予防を行ってみてください。