亀井先生「歯周病が新型コロナウイルスの感染と重症化にも関与している可能性も指摘されています」(写真提供:Photo AC)
「歯周病」は糖尿病や認知症、骨粗しょう症などの原因にもなると言われていることをご存じでしょうか。人類史上もっとも感染者数の多い感染症として、2001年にはギネスブックにも認定されました。「歯周病は、みなさんが思っている以上にとても危険な病気」と語るのは、歯科医師の亀井孝一朗先生。その亀井先生いわく「新型コロナウイルスの感染と重症化にも関与している可能性も指摘されている」そうで――。

歯周病菌が認知症にも関与している可能性

日本における認知症有病率は、65歳以上で約600万人と推計され、90歳以上ではふたりにひとりが認知症であるとされています。

その認知症のなかでも約7割を占めるアルツハイマー型認知症において、歯周病菌が関与している可能性が取り沙汰され、大きな注目を集めています。

ご存じかと思いますが、認知症とはただの「もの忘れ」とは違います。

認知症の症状
・覚えていたことを忘れる。新しいことも記憶できなくなる記憶障害
・いまの時間や場所など、自分の状況がわからなくなる見当識障害
・運転のミスなどが多くなる理解力や判断力の低下
・家事や仕事ができなくなり、食べこぼしや失禁なども増える実行機能の障害

このような中核症状に加え、不安や無関心、イライラ、幻視や被害妄想などの行動・心理症状が表れます。

『小さな町で評判の歯科医が解説 歯周病になったらどうする?』(著:亀井孝一朗/アスコム)

その原因が、脳神経の変性による脳の萎縮であるものをアルツハイマー型認知症といい、認知症のなかでもっとも多いケースです。

なお、次点は脳梗塞などの後遺症として起こる血管性認知症です。