と、急に車内が静かになった。
ツムツムのチカチカジャンジャンした音が止まり娘がこちらを向いた。
「ママ?」
「ホワッツ?」
「は?」
「ホワッツ、とは? どういう意味でしょう?」
「そういうの、今いいから」
「ホワッツとは、何ですか? という意味でした。ホワッツマイケルの、ホワッツでもあります」
「ママ黙って」
「イエス」
「今日ママ、先生と、なに話したの?」
「トップシークレッツ!」
「教えて」
「イエス」
「教えるんかい!」
「ア・リトル。少しだけね」
「うん」
「スタディ。お勉強のこと」
「やばいって?」
「自分でやばいと、思ってるの?」
「ママに聞いてんの!」
「はい。そうですね。質問返しは、わたしも賛成しませんから。ごめんなさいね。いや、やばいとかではないけれど、勉強のあなたなりのやり方を身につけられたらいいね、という話をね」
「どういうこと?」
「ほら、生活の中で会話に英語を入れると、英単語覚わるでしょう、それで英語が楽しくなったんじゃないの?」
「なった」
「だから他の科目も、なにかいいやり方があって面白くなるといいねって話」
「理科はムリだね」
「なんで?」
「理科って、難しいもん」
「ママも、理科って、全然できなかったの。わからないんだもん」
「それな!」
最大の共感それな! をいただいた。ということは相当わからないのだ。理科。