青木さやかさん(撮影:後藤利江/写真提供:KADOKAWA)
連載「50歳、おんな、今日のところは『……』として」で、母との確執やギャンブル依存症など、自身の経験を赤裸々に綴り話題となった青木さやかさん。2019年に母を見送り、現在は中学生になる娘さんを1人で育てています。「母が嫌い」だった青木さんが、自身と娘との関係を見つめ、これまでの子育てを振り返ります――。

勉強しなさいと押し付けてきた母と

娘の学校で先生との面談の帰り道の車内。面談では成績の話を主にさせていただいた。娘のことが少々心配で、先生に面談を申し込んだのは、わたしだった。

わたしは一度も娘に勉強しなさい、と言ったことはない。わたし自身が母から勉強や成績について言われ続けたことが嫌だったからだ。褒められるかと思い90点の答案用紙を持って帰っても「なんであと10点とれんかったの? 間違えたところを見直しなさい」ときたもので、マルよりバツに注目する母からは褒められた記憶がないのだ。

勉強を押し付けられた、成績はよくあらねばならない、と押し付けられた記憶が強くあり、娘には、それをしないと決めていたのだ。ことあるごとに娘には「いいですよ、勉強はしなくていいです」と伝えてきたのだが、驚くことに娘はある時こう言った。

ママはいつも、勉強するなっておしつけてくる、

わたしは愕然とした。
母はわたしに勉強しなさいと押し付けてきた。
わたしは、娘に、勉強しないでいい、と押し付けているようだ。
参った。