本当に速かった……
20代のとき、最愛の夫が浮気をしてきた日のことを私はハッキリ憶えています。自分と同じ業界の人でしたから、仕事で昼夜逆転することは互いに当たり前だと思っていたのに、“夫”は、「帰れなくてごめんね」と電話をしてきたのです。仕事で帰れなかったわけではなかったのだと直感しました。
きっとそのときはまだ“夫”に罪悪感はあったのだと思います。“離婚のりの字”もなかったと思います。ですがそこから“関係”はどんどんエスカレート。私より7~8歳は若かった当該女性のパワーは凄まじく、無言電話がひっきりなしにかかってきたり、遂には自宅に訪ねてこられたりしたこともありました。
“あれよあれよ”という言葉がありますが、本当に“あれよあれよ”という間に私は“夫”を略奪されました。本当に速かった……。